THE ALFEE 風の時代 川口リリア セットリスト

THE ALFEE

2023年4月6日に埼玉・川口市の川口リリアで開催された
「THE ALFEE 2023 Spring Genesis of New World 風の時代」のセットリストと
Takamiyや坂崎が使ったギター、サウンドなどを目視で確認できた範囲でレポートします。

以下、少しづつネタバレが入りますのでご注意下さい。

セットリストの17曲中、80年代のものが10曲を占めました。特にアンコール5曲はすべて87年以前の楽曲でした。率直な感想としては、ちょっと変わったセットリストだと感じました。去年は1年かけて、「天地創造」の新曲を全部演奏したことを考えるとなおさらです。

しかし、

これには明確な理由があると思います。
つまり、80年代の楽曲には客と一緒に歌うパートが多くあることです。
なかでも一番最後の曲は客が歌うことで成立するパートがあり、声だしNGのライブでは演奏できません。

つまり、声出し解禁を大いに意識したセットリストで間違いありません

客に声を出して楽しんでもらいたいという
演奏側の気持ちが伝わるセットリストでした。
というか、THE ALFEEのメンバーが客の声を聞きたかったのでしょう。

5月の新曲、「鋼の騎士Q」とみられる楽曲が演奏されましたが、間奏で「Hey!」と合いの手が入るアレンジでした。ツアー中盤になってこなれてくればみんなで「Hey!」と叫ぶことになるのではないでしょうか。そのための曲、アレンジと言ってよいと思います。

このライブの翌日、右腕が激痛なのは去年と一緒でしたが、1日中喉も痛かったです。
声出し解禁を実感しました。(4月8日追記)

そして、Takamiyのギターですが、

私の確認した限り、去年の秋冬とかぶったのはESP Stained Glass、Flyng Angel Fantasia、ESP Ultimate Arcangel、OZY FA-Ⅳ Mat Black、青いArrow、御神木剣、000-42の6本。
17曲中、6本も同じなのかと思うでしょうが、それ以外でレスポールが4本も使われたのです。

思えば、Takamiyはここしばらくレスポールを使っていなかったことに気付かされました。

この日はGIBSON Les Paul Standerd Reisue 1959、GIBSON Les Paul Standerd 1978、1958年製のカスタム、ジョンサイクスモデルの4本が登場しました。

博物館クラスのビンテージを含め、1日でこれだけのレスポールの音を聞けるライブが他にあるでしょうか?

というわけで、

記事のリンクの空間をスクロールするとセットリストが記載されています。ツアー中にセットリストを見たくない人はご注意ください。

本編

M1 鋼鉄の巨人

TakamiyのギターはOZY FA-Ⅳ Mat Black
坂崎のギターはTSK 8or3 サムピック使用
Gmの響きでなく、低いキーでの演奏でした。1音下げだと思います。

去年の夏に演奏された時もそうでしたが、
イントロのバスドラが1発だけで単調なのが気になります。

あと、1番2番の間奏はライトハンド奏法をしてほしいと思います。
音数の少ないミニマルなフレーズをどこかで入れて欲しいのです。
全般的に、曲のテイストに対して16分音符が足りない印象です。

キーもアレンジもマイルド化した「鋼鉄の巨人」と言ってよいでしょう。
重金属化を希望します。

なんと4月18日の市川市文化会館の演奏ではイントロのバスドラが2発化され、間奏はライトハンド奏法でした。Takamiy様、私の願いを聞いてくれてありがとうございます。(4月19日追記)

M2 恋の炎

TakamiyのギターはOZY FA-Ⅳ Mat Black
坂崎はハンドマイク
坂崎はハンドマイクを持って普通のバンドのボーカルのように動き回っていました。サビは下のコーラスですが、主旋律を歌っているように見えてしまいます。
センターでハンドマイクを持っている人が下パートを歌うのがTHE ALFEEのシステマチックな音楽なのだと実感できる曲です。そして
なんといっても、声出し解禁後初の、大ラスの「Hey」が新鮮でした。

M3 風の時代

TakamiyのギターはESP Stained Glass
ギターソロは後半の8分音符のフレーズでミストーンが出ました。

坂崎のギターはTSK No.8 Aged
坂崎ですが、TSK No.8 AgedとTerry’s Terry Hobo’s Specialをレギュラーチューニングで使い、
アルペジオのある曲やコードストロークが楽曲のメインとなる曲でTerry’s Terry Hobo’s Specialを使っていたようです。

Terry’s Terry TS-100C No.8は半音下げでした。

ツアータイトルの曲にしては早い登場だと思いました。
そもそも、普通のセットリストの終盤がそのまま繰り上がってきた感じです。

M4 Brave Love ~Galaxy Express 999 

TakamiyのギターはESP ARROW 青
このギターのスペックは未だ謎に包まれています。リバースヘッドでインレイはツリー・オブ・ライフ、パッシブピックアップだと思われます。Aメロ繰り返し部分から始まるエレキのアルペジオがカッコ良かったです。

坂崎のギターはYAMAHA APX-W Custom(上が12弦 下が6弦)
間奏後のサビでは12弦で16分音符を鳴らしていました(冒険者たちと同じような感じ)。

全般的にとてもいい演奏だったと感じました。

M5 THE AGES

TakamiyのギターはE-Ⅱ Flyng V (白、トレモロなし、リバースヘッド、インレイはTUSK)
ESPのカタログを見るとARROW NT Snow Whiteをゴールドパーツに変更したような感じです。
初登場のギターだと思います。

おそらく、EMGピックアップだと思うのですが、ブリッジがチューマティックなので、フロイドローズと音がかなり違う感じがしました。

イントロのコードカッティングを含めてソロ以外でもワウを多用していました。ちなみに私は2階席からの鑑賞でしたのでCRY BABYのロゴが見えました。

坂崎のギターはTSK No.8 Aged
坂崎のボーカルが不安定だったような感じでした(裏声の高音が出ていなかったです)。

気合の入ったすばらしい演奏だったと思います。

ARROW NT | ESP GUITARS
ARROW 6弦 / Tune-matic Type ブリッジ搭載, String-Thru-Body

メンバー紹介のコントに続いて、ツアーパンフの説明がありました。
桜井のステップにシンクロした効果音は「あん ぽん たん」でした。
坂崎は「すけ ベ じじい」、Takamiyは「ち こく すん な」でした。

M6 LOVE NEVER DIES

TakamiyのギターはLes Paul Standard Reissue 1959
黄色でキルトメイプルトップのギターです。

坂崎のギターはVG-12/G(上が12弦 下が6弦ガット)
ガットギターのアルペジオがよく効いた演奏でした。

Takamiyが「終わり」とコントを〆てスタートしました。
ツアーでは久々と坂崎が紹介。

オリジナルと違っていたのはバスドラの連打を多用していた点でしょうか。

M7 人間だから悲しいんだ

TakamiyのギターはOOO-42
Takamiyがアコギを弾く以外のアレンジはほぼ同じで、去年で言うと「ひとりぼっちのPretender」と同じパターンです。
エレキギターを持ち替えてバンド全体の音を変えるTakamiyですが、全く同じアレンジでエレキからアコギに持ち変えて劇的に音を変える手法と言ってよいでしょう。

しかし、ゴリゴリのアコギと図太いエレキのバトルがこの曲の醍醐味かと・・。

坂崎のカッティングにTakamiyのAmペンタのオブリガードが入ってこないと物足りないです。
この曲でよく使っていたツリーオブライフのAMOROUS-CTMでなく、ストラトにしてみるとかのアプローチでもよかったのではないかと思います。

個人的にはこれを聴くと、

まだ、THE ALFEEの楽曲をほとんど知らないまま参加した2017年の日本武道館の公演を思い出します。「長く歌い続けていきたい」とTakamiyが言っていましたが、有言実行しているようです。

坂崎のギターはTerry’s Terry Hobo’s Special
冒頭はアコギのハモリで、テーマを弾いていました。

M8 GLORIOUS

TakamiyのギターはGIBSON Les Paul Standerd
ロッドカバーに「Standard」のロゴがあったので1978年製のものでしょう。

1番だけですが Aメロの低音バッキングをフロントピックアップで弾いていました。
通常のパワーコードでなく、アコギのようなコードの押さえ方をしていました。
Cのコードならドとミの音階になるのでメロディアスなバッキングに聞こえます。

残念ながら、ギターソロが少し変でした。

坂崎のギターはTerry’s Terry No.8
特に後半はカッティングがよく聞こえるミックスだったと思います。改めて、坂崎は超人的なリズム感だと思います。

M9 Never Say Die

TakamiyのギターはFlyng Angel Fantasia
坂崎のギターははTerry’s Terry No.8 2カポスタート 転調後はカポなし
イントロはアコギから入って「風の時代」のようなエレキギターのメロ。

歌ですが、出だしは桜井と坂崎の2声、Bメロは桜井、サビは3声とTakamiyソロでした。
複雑な3声スイッチボーカルを楽しめるアレンジです。
この日の演奏はBPM140くらいの早めのテンポでした。早く音源を聴きたいです。

演奏前にTakamiyから新曲の説明がありました。THE ALFEEに出会った頃の曲を聴きたい人もたくさんいると思うが、新しい曲を聴いてもらうことも大切というような旨のことを言っていました。
小説の巻末に出会いをテーマにしたコラムを書いたそうです。

M10 時の方舟

Takamiyのギターは御神木剣
坂崎のギターはTerry’s Terry Hobo’s Special

M11 Count Down 1999

TakamiyのギターはJACKSON STARS Randy Rhodes V ボディートップに大きなスカル
よく使っているスワロフスキーのジャクソンよりも落ち着いた音だと思いました。

坂崎は青いエレガット(Buscarino?)

M12 新曲

TakamiyのギターはLes Paul Standard Reissue 1959
坂崎のギターはTerry’s Terry Hobo’s Special
全体的な印象は「Lifetime Love」に似ていました。
桜井がボーカルで、リズムがトン、トトンと一定な感じ。比較的淡々としたアレンジでした。
サウンドは「エルドラド」や「夢のチカラ ’06」のようなやさしい世界で、
Takamiyの左手を見る限りキーはGmでした。
坂崎のギターからするとレギュラーチューニングでしょう。
間奏で「Hey」と合いの手が入る構成がよかったです。
サビの歌い終わりが「鋼の騎士のように♪」だったので新曲「鋼の騎士Q」で間違いないでしょう。

愛蔵版 高見沢俊彦GUITAR COLLECTION 500 
プレーヤーコーポレーション

アンコール1

M13 クリスティーナ

TakamiyのギターはGIBSON John Sykes Les Paul Custom
通常のレスポールよりも歪みが深い感じでした。

間奏の「Hey」のためにこの曲をやったのでしょう。

またさきブラザーズのコントとなりました。

M14 星空のディスタンス

TakamiyのギターはESP Ultimate Arcangel
冒頭のピアノバックのサビですが、桜井が歌っていなかったのではないでしょうか?
というか確実に歌っていなかったです(ミキサー氏のミス?)。

主旋律のない2声コーラスで聴くのはレアだと思いますが・・。
ギターソロの音が際立ってよかったです

坂崎のギターは紺のTMJ-051KS(ボディートップに星模様)

M15 Sweat&Tears

TakamiyのギターはESP Bulls
坂崎のギターはTSK No.8 Aged

後奏のギターソロの前にTakamiyが拳を上げて「HEY」と客を煽るパートがあるのですが、
声出しが解禁されたことを実感し、私も感動し無我夢中になりました。
しかし、
最後、Eのキーでかき回したあと、力技でC?かF?にしてもう一度かき回すアレンジでしたので、
現実に戻り、そのことをメモりました。

あとあとよく考えると、次に直結して演奏する「恋人になりたい」のキーがCなので、Cでかき回した公算が高いです(なぜかは次曲に書いています)。

M16 恋人になりたい

TakamiyのギターはESPBulls
坂崎のギターはTSK No.8 Aged
桜井のベースはプレシジョン
Sweat&Tearsから間髪入れずに演奏したため皆同じ楽器です。
歌前に和音が一度も鳴らないまま3声ハモは難しいので、前曲ケツでCのかき回しが入ったものとみられます。ベースの桜井は特に難しいのではないでしょうか。

Aメロ歌い出しの直前で客が一斉に何かしらの合いの手を入れたのですが、何と言ったのか不明です。

アンコール2

M17 See You Again

TakamiyのギターはGIBSON Les Paul Custom 1958
坂崎のギターはTerry’s Terry Hobo’s Special
イントロのピアノとユニゾンで奏でるフレーズがいい感じでした。

客側が「See You Again」と歌うことで成立している曲でしょう。声出しが解禁されなかったら
別の曲だったと思います。

終盤、

Takamiyがソロで「See You Again」と力強く歌った直後、いきなり客とアコギだけの落ちサビになるのですが、客も客でよくこのタイミングでスパッと入れるなーとつくづく思います(Takamiyの歌い終わりを1拍目にして計4拍をエアで数える)。なぜ2000人が同時にこれをできるのでしょうか?

ちなみに、Takamiyが何小節歌うのかを把握できていない私には無理です。

そして

このパートの最後の8小節目から坂崎のアコギはフェードアウトし最後4小節は客の声だけになり、次はTakamiyのバッキングで客が歌います。この客の声ありきのアレンジの凄さを実感しました。

近年からのファンである私としてはあまり思い入れのある曲ではないのですが(暗い曲の印象)、この日を持って「声出し解禁ソング」に認定することにしました。

と言いつつ、客の「See You Again」からフェードインするように入ってくるTakamiyの低音バッキングがツボでした。ミュート気味にやさしく弾いているのがよかったです。この春もサウンド重視でライブを楽しみたいと思います。

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コメント

  1. kn より:

    kim3desさんとお呼びすればいいでしょうか。はじめまして。
    kim3desさんの考察最高です!
    私はTHE ALFEEのファンになって40年以上ですが情報も考察もkim3desさんの足元にも及びませんよ。アップ楽しみにしてますので頑張ってください!

    • kim3des より:

      kn様 ありがとうございます。ベテランファンの方に認められたようでとても嬉しいです。この考察(というほどのものでは・・)は、なんでも理屈化しないと気が済まない私の性格のせいでしょうか。お気軽にご覧いただければと思います。

  2. より:

    近年はライブ参加出来てないけどSee You Againのリフレインはレポートを拝見するだけで脳内で響き渡ります!
    恋人になりたいの合いの手は「こーちゃん!」ではないでしょうか?♪友達の♪を照れ笑いしながら歌うのが80年代からの定番でした。

    • kim3des より:

      Z様 ありがとうございます。リフレインのタイミングなどは譜割りや理屈ではなく体に染み付いているのですね。やはり「こーちゃん」でしたか。貴重な体験談をありがとうございます。機会があったらお気軽にご覧ください。

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