THE ALFEE 天地創造 春ツアー千葉 セットリスト

THE ALFEE

THE ALFEE 2022 Spring Tour Genesis of New World 天地創造
2022年6月8日 千葉県文化会館のセットリストと使用されたエレキギター、サウンドなどをレポートします。

私自身あまり聞いたことのなかった80年代の曲が新しいアレンジで2曲披露されました。

そして、本編のラスト4曲の演奏とサウンドは圧巻でした。

ツアートラックのグラフィック画像

参考までに、ツアータイトルにもなっている新作「天地創造」のレコーディングで使用したギターです。
※これ以上下にスクロールするとセットリストが記載されています。

千葉県文化会館公演 セットリスト

本編

M1: The 2nd Life -第二の選択-
M2:夢よ急げ
M3:風曜日君を連れて
M4:FLOWER REVOLUTION
M5:孤独の美学
M6:NOBODY KNOWS ME
M7:君が通り過ぎたあとに
M8:友よ人生を語る前に
M9:天地創造
M10:星空のディスタンス
M11:組曲:時の方舟
M12:My Life Goes On

アンコール1

M13 :振動α
M14 :君はパラダイス
M15 :SWEAT&TEAERS
M16 :サファイアの瞳

アンコール2

M17:おくりもの

Takamiyの奏法やサウンドなど

目視できた範囲でTakamiyが使用したピックアップの位置も記しています。書き記事も併せてご覧いただけると参考になるかと思います。

M1: The 2nd Life -第二の選択-

TakamiyのギターはESP STREAM-GT CTM EXHIBISHON

終始ピックアップをセンターにしていました。この曲のシングルのレコーディングに
使われたギターで(クリーントーンは別) 、それをライブ冒頭聴くことができて感激です。
エンディングにギターソロがあるアルバム収録バージョンでした。

去年配信された無観客ライブでは、MCで、「早くこの曲を人前で演奏したい」という旨のことを
言っていました。なので1曲目なのでしょうか。

冒頭とサビのバッキングはオーバードライブぎみの強い歪み、Aメロはクリーンのアルペジオと
音色の使い分けが求められる曲だと思います。

生で聞いた感じは歪ませた音がスリムでシャープな印象です。キリッと歪んでいるイメージです。
適度に太さと抜けの良さが共存したいい音でした。

M2:夢よ急げ

TakamiyのギターはESP STREAM-GT CTM EXHIBISHON

全般的に強く歪んだオーバードライブサウンドで、このギターがピッタリな感じがしました。
これを機にほぼ初めてオリジナルを聞いてみたのですが、テンポ、アレンジともかなり変更されていて別曲のようです。特にテンポが違うと印象が…

この記事の趣旨から外れますが、

オリジナル音源はエレキギターの中音域がこもっていて、適度に粘り気があるものの、高音域のパキン、プツンとした感じが強調されてしまっています(特にエンディング)。今のTakamiyだったら許さないのではないでしょうか。時代もあるのでしょうが、率直に言ってエレキギターの音が微妙です。

M3:風曜日君を連れて

TakamiyのギターはOZY FA-Ⅳ Mat Black

高見沢俊彦GUITAR COLLECTION500によるとサステイナーが埋め込まれているものと
そうでない2種類があるのですが、どちらかは判別できませんでした。

いずれにしてもEMGというアクティブピックアップ仕様で、終始リアを使っていました。
イントロのリフは空間系のエフェクトで綺麗に響かせる音作りを感じました。

M4:FLOWER REVOLUTION

TakamiyのギターはESP 御神木 鏡

トレモロのないハードテイル仕様というのが木材以外の大きな特徴でしょうか。
タモという木でできていてFRXやSTREAM GTなどとは音がかなり違うのが会場で聴くと
よく分かります。

この「御神木 鏡」はアルフィーサウンドのベーシックなパートで使える系統ではなく、
ストラトやセミアコなど個性派ギターの部類に入るのではないでしょうか。
メイプルネックの視覚効果もあってか高音域が特徴的なサウンドです。

ボリュームやトーンコントロールのノブが一切ない仕様でした。
この演奏では終始リアピックアップを使っていました。

M5:孤独の美学

TakamiyのギターはESP Flyng Angel Fantasia

ハードな曲ですが、ソロは純粋なクリーントーンに聞こえました。歪みはないながらも
アンプのボリュームを上げることによって生まれるコンプレッション感と粘り気がある
独特なトーン
だと思います。

このギターはEMGピックアップが採用されていますが、
音をまねるには相当な研究と腕前が必要だと思います。ピッキングする手首から先がやわらくないとダメだし、アンプ直では絶対に出せない音で、
低インピーダンスで出力されるEMGピックアップの特性が最大限に生かされているようです。


特にエンディングのソロは音色、フレーズとも
こだわっていて、このギターならではなのではないでしょうか。

フライングVのボディーに美術のような装飾、フロイドローズ仕様で音響学的にはあまりいい音がするようには見えないのですが(見た目重視の仕様)、
実際はすばらしい音だと思います。この日は終始リアピックアップでした。

2010年のソロプロジェクト用に製作されたと高見沢俊彦GUITAR COLLECTION500などに
記載があります。DVDでもかなりの頻度で見かけるので、お気に入りなのだと思います。

M6:NOBODY KNOWS ME

TakamiyのギターはマーチンのOO0-15

2022年11月に発売された「大人のギター倶楽部」で、Takamiyがこのツアー中に000-15を購入したと坂崎が明かしています。

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次の曲で使われるD-45が1カポのため、この曲で別ギターが必要となり登場したと推測できます。

マホガニーの特徴である高音域があまり生かされていない感じで、どちらかというと力強い
カッティング重視の設定でした。高音域を生かすには全体のサウンドセッティングを
変更しないと無理かと思われます。

00-15M

1984年のアルバム「THE RENAISSANCE」に入っている曲で、近年からカウントダウンして聞いている私は初耳でした。TakamiyはMCで、アコギで演奏するのは初めてだと言っていました。オリジナルのアレンジと比べると、テンポは同じでエレキギターのパートをほぼ00-15Mに置き換えたサウンドです。一番違うのは間奏のピアノのメロディーを同じくOO-15Mで弾いているところでしょうか。

オリジナルを聴くと、前小節の最後の八分音符からはじまって(シンコペーション)オクターブ上に飛ぶピアノの間奏が大きな特徴なのではないかとは感じられるとろころですが。。。

あと、オリジナルは弦楽器含め曲全体にエコーがかかったような世界観の仕上がりになっているのですが、この日の演奏はピッキングやピアノタッチニュアンスまで伝わってくるようなストレートなサウンドでした。

近年の曲はライブでいかにレコーディングの音を忠実に再現するかという路線ですが、
80年代の曲はちょっと指向が異なるのでしょうか。

とりあえず演ってみようと誰かが言い出して、リハーサルの合間を縫ってこのライブ用にアレンジしたようなレア感のあるテイクだと思います。バンドではよくあることです。

M7:君が通り過ぎたあとに

Takamiyのギターはマーチン D-45 1カポ

1970年代後半に入手したということなので、所有するギターの中で1位2位を争う古さだと思われます。

これまた初めて?オリジナルを聞いて比べてみると、テンポは同じと思われるのですが、サウンドがガラッと変わっています。

この日は、ドラムとベース以外はアコギ2台とピアノだけの伴奏でした。ストリングスの音がないアレンジで、後奏のオーケストラサウンドもピアノで再現し、最後はアコギのハーモニクスを駆使していました。

前曲NOBODY KNOWS MEと同様、本番前のリハーサルでサクッと作ったような感じのアレンジで、ハイトーンのボーカルを含めて全体的に高音域に寄せたサウンドでした。他の曲に比べて音域的に隙間のあるフォーク曲のような感じで、ツアー中のアレンジならではのテイクかもしれません。

D-45ですが、1カポCで演奏していました。半音下げチューニングなのだと思います。
雨の季節はギターが逆反りになるので(放っておくとチューニングが高くなる)レギュラーチューニングに戻した方がギターのコンディションキープとしては良いです。余計なお世話かもしれませんが、
ファンにとても大事なギターなのではないでしょうか。

M8:友よ人生を語る前に

TakamiyのギターはGibson ES-335 Alvin Lee Model

歪んだ音色でした。クランチといううよりはオーバードライブぎみなトーン。
セミアコなのでクリーントーンはサステインの少ないぼそっとした音になりがちなことを考えての音作りだと思います。歪ませることによってサステインを増している音です。(こちらを参考に)


Aメロのエレキギターはオブリガードだけで休憩気味。バッキングはBメロ途中からでした。
バッキングになったときに歌の邪魔にならないベーシックな音色に寄せられている感じがしました。
ボディトップが派手なステッカーだらけで気が散ってしまい、ピックアップの位置が確認できませんでした。

Takamiyの傾向として、コーラスやアコギとの共存を考えたベーシックな部分はESPの新しいものを使い、ギターソロなどに比重を置く場合は、ちょっと変化球なギターをチョイスすると思っています。
そうすることでギターの進歩がアルフィーサウンドの進歩に直結しているのです。
(こちらを参考に)

Aメロにバッキングがなく、メロディアスなオブリガードが多めに入るアレンジは珍しく、
Takamiyが「自由にギターを選べる曲」という実験的な位置付けなのでしょう。

それを踏まえて今回はイントロの泣きのフレーズと、軽く歪んだ感じのオブリガードをターゲットにして、決して万能ではないものこのギターが選ばれたのだと思います。前述のように、王道のアルフィーサウンドとはちょっと違う曲なので可能なチョイスと言えます。

この曲の後のMCによると、千葉文化会館はは11年ぶり。老朽化したトイレを見て
前回を思い出したそうです。水流がよくなかった思い出があったのでしょうか。
チケットには同会場50回目と記載がありました。

同会場通算公演回数50と書かれたチケット画像

M9:天地創造

Takamiyのギターは御神木 剣

ピックアップがダンカンのカスタム製、ボディーがタモという木でできているらしく、特に高音域が、かなり特殊な音に感じられました。フロイドローズ仕様に加えてボディーが若く、
あまり振動を吸収していない感じでしょうか。アルフィーの王道サウドをさせるタイプではなさそうです。

ギターの音はともかく、ノルというより、聞けという威圧感すら感じられるすばらしい演奏でした。

イントロから1小節あたりの8分音符の数が中途半端に多かったり、少なかったりで没入できない構成。
しっかり聞くという方向に自然となりました。

中途半端な8分音符の数については、「演奏する側重視」と過去の夏のイベントなどで聴衆を置き去りにしていることをバンドとして謝罪しています。

M10:星空のディスタンス

TakamiyのギターはESP Ultimate Archangel

冒頭、クリーントーンでホルスト「木星」の主旋律をソロで奏でていました。
他のギターではこうしたことはやらない気がします。

エンジェルモチーフのギターは物理的に考えてあまりいい音がしないと思っていたのですが、
クリーントーンなのに歪ませたような粘り気とコンプレッション感がある独特な素晴らしいサウンドでした。アンプのボリュームにこだわって、最終的な出力の前に空間系のエフェクトをうまく使っている感じです。

M5:孤独の美学で使用されたESP Flyng Angel Fantasiaと同じ傾向で
エンディングでこだわりのギターソロがある曲で選ばれていると思われます。

大きなボディーで弾きこなしかたも含め、名実ともにアルティメイトと言っていいでしょう。
レコーディングで使用されたという発表はなく、その音はライブでしか聴くことのできないものです。

M11:組曲:時の方舟

TakamiyのギターはESP ARROW

頭の12弦ギターをどうしようかな
一番いいのはSGの6弦と12弦のダブルネック
物理的に無理だったらオクターブ奏法

Player SPECIALニッポンのロックミュージシャン

冒頭のフレーズをどう再現するかをツアー前にこのように語っていました。

結論は物理的に無理だったようでオクターブ奏法を選択。ここだけかなりのファットサウンドでした。
アルバムの音とはかなり違う感じです。他の曲でも、たまにこうした歪みを使っている印象があります。

このギターですが、私の知る限り登場している雑誌などはなく、
ブルーとエメラルドグリーンの中間ような塗装のフライングVで、特注なのでしょう。
聞いた感じはアルフィーサウンドを支えるベーシック系の音だと思います。

「物理的に無理」というのは納得できる説明で、曲を再現するにはかなりの音色が必要です。
クリーンからオーバードライブまで目まぐるしくギターサウンドが変化します。

■「嵐がやってきた」のバッキングは5弦5フレットではなく3弦解放で弾いていました。
リアピックアップでオーバードライブサウンドです。

■CD TIME4分すぎのアコギフ単音レーズ(8分音符でFCBB♭BB♭)のバックで聞こえるエレキフレーズは開放側で2本の弦を指で弾いていました。3小節目の8分音符が2つ多い進行なので小節頭にフレーズを入れる時は緊張することと思われます

こちらは粘り気やコンプレッション感のないクリーントーンで、アルバムではストラトを使用したと語っています。その後の展開で間髪を入れず激しいオーバードライブにチェンジされます。

全体を通してアコギのカッティングが曲を引っ張っていくような感じで、大変緊迫感のある圧倒的な演奏でした。

M12:My Life Goes On

TakamiyのギターはEPIPHONE E230 Casino 66年製のビンテージです

こちらもアルバムの音を再現した形で、王道のアルフィーサウンドではなく、自由にギターを選べる曲だと思います。アルバムのソロは1959年に製造されたレスポールスタンダートですが、他の特徴的なフレーズの再現を優先させてカジノを選んだのだと思います。

イントロのサウンドはモジュレーション系のエフェクトがかかった感じのオーバードライブでした。
セミアコは歪ませて使うのがTakamiy流だと言えます。

アコギも変わっていて、イントロはベース音がEのままE D C とコードが下がり
歌中はベース音も含めてE F#m G#mと同じリズムで上がっていくのがかっこいいです

最初にも書きましたが特に本編ラスト4曲は圧巻の演奏でした。参加歴の少ない私にもはっきりと何かが伝わってくる感じがしました。思い切ってここで公演を終わらせてしまえば「感動的だった」という印象を残せたと思います。でも、できるだけ同じ時間を長く共有したいと思うファンの気持ちを優先させているのだと思います。


紙テープの画像

M13 振動α

ギターはJackson Randy Rhoads Custom V

歪ませた音でした。ピックアップはSTREAM-GT CTM EXHIBISHONと同様のEMGで、
ディストーションサウンドはEMGを使う傾向があるようです。

M14 君はパラダイス

ギターはFRX-CTM-FT NT

この曲のオリジナルアレンジにはエレキのカッティングは入っていないようですが、
12フレットあたりで、クリーントーンのG C D Em Bmのカッティングを刻んでいました。
アコギの音と干渉しない音域を意識してのギターセレクトだと思います。
アルバム「天地創造」のFunky Catのカッティングもこのギターが使われているので、
近年のアルフィーサウンドのエレキカッティングにマッチしたギターと言えそうです。

M15 SWEAT&TEAERS

ギターはFRX-CTM-FT NT

ダンカンのパッシブピックアップで王道サウンドです。
80年代の曲は、比較的歪ませて使っている気がします。

M16 サファイアの瞳

ギターはFRX-CTM-FT NT

12弦アコースティックギターと音域が干渉しないよう選ばれたものかと思います。カッティングもあるのでM14「君はパラダイス」と同じような理由でチョイスされたのかもしれません。

M17 おくりもの

ギターは御神木 SNAPPER

バッキングはリアピックアップ、ギターソロはフロントピックアップで出だしは
2弦チョーキングからでした。

全17曲のエレキギターを観察してみましたが、王道のサウンドが求められる楽曲と、比較的自由なギター選びができる曲があるのがよくわかります。自由に選べる曲では今後どんなギターが出てくるかを
楽しみにしているファンも多いのではないかと思います。

そして
ESPの新しいFRXやSTREAM GTの登場で、サウンドの幅が大幅に広がった印象です。

コンサート会場で聞くギターの音はCDやDVDのものとはまるで別物です。CDやDVDで聴こえるギターの音は音源の一部になってるのに対して、会場に響くのはアンプの音をマイクで拾った音で、生々しい音です。注意して聴いていると1曲の中でディレイやリバーブが目まぐるしく変化しています。

こうしたライブの楽しみ方もアリだなと思っています。

ツアートラックの画像

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