2022年3月に光栄堂楽器のネットショップで購入した
SG STANDARD selected by KOEIDOの音と
大手楽器店の店頭に並んでいる同モデルの音を比べました。
両者をスペクトラムで表示させると大きな違いがあることが分かりました。
聞いた感じは元気で明るい印象。低音側に芯があり、高音が響いています。
引き締まった感じもします。
JCM900 4100(100W)にワイヤレスで接続し、トーンコントロールはすべてセンターです。
プレゼンスとリバーブは0です。
スペクトラムです。5弦開放が440Hzというのをよく見かけますが、これはピアノなどに合わせた表現です。
実際の5弦開放の振動は110Hzです。
それを踏まえて、
■2オクターブ上の400Hz中盤が最大。
■2500Hzあたりの成分がかなり目立つ
(横軸2500Hzが断崖絶壁に)
大手楽器店のGibson SG Standard
続いて大手楽器店で試奏した新品ピカピカのSG Standardです。
同じようにリアピックアップで5弦開放を弾いたものですが、アンプはMarshallの
VALVESTATE 8040。設定はほぼ同じですが、コンボアンプの音になります。
波形を見ると
■2オクターブ上の500Hz周辺が最大
■4倍音の1200Hzが目立つ
■後述しますがどのテイクも同じ波形でした
聞いた感じは落ち着いた感じでしょうか。ややのっぺりした印象です。
スペクトラムを比べると、2500Hzあたりの成分のあるなしがはっきりしました。
異なるアンプであることを差し引いても、音の響きが結構違うようです。
さらに、複数のテイクの波形を比べると両者がまるで別物であることがわかりました。
ピッキングで波形が変わるselected by KOEIDO
下の3つはselected by KOEIDOの同じ5弦開放弦を弾いた別テイクの波形です。
向かって左半分側、基音の110Hzあたりに注目すると、
3つともまちまちな波形になっているのが分かりますでしょうか 1と3ではかなり違いますね。
基音となる110Hzの響きがテイクによって違うということです。
つまり、ピッキングの僅かな違いで出てくる音の成分が違うのです。
基音の波形が揃ったのは全体の7割ほどで、残り3割ほどはランダムな波形でした。
大手楽器店のSGはどれもクローンのように同じ波形
続いて、大手楽器店のSGの別テイクです。
3つともクローンの如く同じような波形が出ました。
つまり、多少のピッキングの違いに関わらず基音周辺は同じ振動をするようです。
これはこれでちょっとびっくりしました。
selected by KOEIDOとは
エレキギターのピックアップは金属でできた弦の振動しか拾いません。
どの振動がボディーに逃げて、どの振動が弦に残ったか、ということでギターから出る
音は決まります。それを踏まえると、
■selected by KOEIDOのSG
「弦に残る振動」と「ボディーに逃げる振動」をピッキングの具合に応じて、
弦、ブリッジ、ボディーの3者があたかもその都度対話して決めている
(こちらも参考に)
■大手楽器店のSG
「弦に残る振動」と「ボディーに伝わる振動」がピッキングに関わらずほぼ一定。
いつでも豊かな響きとされる整数倍音がきれいにに出ています。
光栄堂いわく「命を持たぬ個体」だそうです。
全音符の単音でこうなので、普通に弾きまくるものすごく差が出ることになります。
一方、クラシックのコンサートがS席 A席で値段が違うように、
音の響きには値段がつくようで、光栄堂のものは、同じ通販でも高めの値段設定となっています。
コメント
コメント失礼します。
光栄堂ギターファンの者です。ですが、
これはギターの比較ではなく、アンプの比較だと思います。
光栄堂のギターは真空管アンプで弾かれていて、
一般の楽器屋さんのギターはソリッドステートアンプで弾かれています。
タッチのニュアンス、表現は真空管アンプの方が出ます。
2つのギターを同じアンプで弾かれるとここまで差は出ないでしょう。
光栄堂のギターは素晴らしいですが、この比較はギターの比較ではなくアンプの比較だと思います。
記事を読まれて間違った認識をされる方がいると思いますので、コメントさせて頂きました。
ジョン様 ありがとうございます。ジョン様の仰る通りかもしれません。そもそもコンボアンプとヘッド+キャビネットの音ですし。最終的に好きな音か、演奏するバンドで必要な音かということをご自身で聴いて判断することだと思っています。