GT-1の簡単な使い方 テンポディレイ

BOSS GT-1

BOSSのマルチエフェクターGT-1を使ったテンポディレイのやり方を紹介します。
これを使いこなせるかどうかで、ディレイとの向き合いが大きく変わります。
ぜひ覚えておきたい機能です。

中央のBPMがキモ

この記事では、GT-1でテンポディレイを作る方法を説明します。それを実践するのは実は簡単で、記事後半はテンポディレイの歴史に言及しています。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

テンポディレイとは

端的に言うと、曲と同じテンポでディレイの反響音を作り出す手法です。なおかつ、8分音符や16分音符など設定した音価でディレイ音を走らせることができます。

私の文章なんかより、一番わかりやすいのはこの曲の冒頭です

冒頭のエレキは8分音符でドシラドシラと弾いているだけですが、テンポディレイをかけるとこうなるのです。

手順

手順としては付加したい音価とその曲のBPMをGT-1に入力するだけです。
噛み砕くと、

演奏したい曲のBPMを割り出す(曲の速さを1分間に刻まれる4分音符の数で表記)

GT-1のDELAYの設定でディレイのタイプを選ぶ(スタンダードとかPANとか)

3 DELAYのTIME設定で1番ノブを右に大きく回し、音符表記のエリアにする

付加したい音価を選ぶ(4分音符か付点8分音符がおすすめ)

4 エフェクトの接続順を表示するエフェクトチェイン画面を表示する

5 2番ノブを回してMSTを選びENTER

BPMを入力する


となります。あとは任意ですが、ディレイで付加された音の高音域をカットして元の音の高音域をきれいに聴かせるパラメーターなどがあります。

GT-1の基本的なパッチを作る基本的な操作方法を下記にまとめています。こちらの内容を把握した前提でテンポディレイの手順を解説します。

手順を簡単に解説

順を追って説明します。

曲のBPMを割り出す

解説冒頭から申し訳ありませんが、これはGT-1ではできません。曲に合わせてメトノームを起動して数値を読み取るか、曲のファイルを読み込むことでBPMを表示するアプリもあります。スコアやバンドピースがあるなら表記されていることもあるかと思います。ロックだと80から160までの間が多いです。(♩=120など)

GT-1とは離れますが、TENPO TAPの表示のあるエフェクターなら、曲に合わせて一定時間タップすると自動的にBPMが入力されます。

DELAYの設定

なにはともあれDELAYを長押し、もしくはエフェクトチェイン画面でDELAYを選択→ ENTERでディレイの設定に入ります。

TIMEをめいっぱい右に回す

ここではディレイの種類にSTANDARDを選んだ状態です。大切なのは一番左の「TIME」

液晶画面の右にある1番のノブをくるくると右に回すと2000msを超えた瞬間に数値がBPM +音符に変わります。この動作によってGT-1にテンポディレイをさせることができます。

画面では4分音符が選ばれていて、つまり設定したBPMと同じ速さでディレイ音が4分音符を刻む設定です。

エフェクト チェイン画面のMSTからBPMの設定

あとは、曲のBPMを入力するのですが、エフェクト・チェーン画面からMSTを選んでENTERを押します。

右から2番目

MSTとはMASTER SETTINGのことです。真ん中のBPMを演奏曲のテンポにします。

なぜ、ディレイの設定画面にBPMの入力がないの?と思うかもしれませんが、ディレイを開かないでテンポディレイにアクセスするやり方もあるからです。

詳細は省きますが、こちらで紹介したやり方を覚えておいたほうが絶対におすすめです。

テンポディレイの歴史

テンポディレイを使った有名なアルバムはなんと言っても1987年発売、
U2の「ヨシュア・ツリー」です。


曲のテンポに合わせて8分音符プラス16分音符でディレイ音を発振する手法が随所に採用されていて、
エイトビートを刻みながらも16ビートのディレイ音が曲と全く同じスピードで飛び交います。
ギタリストのエッジはこのエフェクトの権化と言っていいでしょう。

このブログの推しであるTakamiyことTHE ALFEEの高見沢で言えば、

ヨシュア・ツリーと同じ1987年のアルバム
「U.K. Breakfast」と1989年の「DNA Communication」です。
膨大な数の楽曲があるALFEEですが、テンポディレイの採用はほぼこの2枚に集約されています。

エッジとTakamiyに共通しているのは
tc electronic社のデジタルディレイ、TC2290を愛用していることです。

このTC2290の登場がテンポディレイを普及させたと言っても過言ではないと思います。

ちなみに、TC2290の子孫にND-1 NOVA DELAYという機種があるのですが、手や足でリズムを刻みながらボタンを押して、音価もパネルで入力できる優れもので、

「テンポディレイはtc electronicにお任せあれと」言わんばかりで、ディレイ単機にしては高額でしたが、私も購入しました。

TAP TEMPと上の音符で簡単設定

いざ使ってみると、曲ごとにBPMは違うので、テンポディレイはその曲ごとにプリセットを作らないといけません。プリセットが数字でしか表示されないNOVA DELAYよりも、曲名が表示されるGT-1に軍配があがるなと思うきょうこの頃です。

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