このブログで、ライブやアルバムのレビューしているTHE ALFEEのTakamiyがツアー使い続けるデジタルディレイ、tc electronic社のTC2290を紹介します。
名器と言われつつも、発売が1985年なので現時点で37年前の機材です。発売期間は20年ほどとのことなので2005年ごろに販売を終了しています。
そして2022年夏現在もTakamiyは2台をツアーで持ち歩いています。
どう考えても、これでしか出せない音があるものだと思われ、個人的にも大変気になる存在です。
ちなみにTakamiyは80年代中期にはライバル機?ローランドのSDE3000複数台ライブで使用しています。私の調べたところ、88年の秋ツアーのパンフレットに2台のTC2290とフットコントローラーを帯同していると記載がありました(同時にSDE3台も)。
仕様や特徴
■製品名 TC2290 Dynamic Digital Delay+Efects Control Processor
■仕様 モノラルイン ステレオアウト
コーラス フランジャー パンナー ダッカーなど搭載
出力はフォノとXLR、ダイレクトアウト(ドライ信号)
最大5台の外部エフェクターを接続可能
■価格 1990年当時でベーシックモデルが33万円
32秒のメモリー搭載最上位機種が97万円(TC2290 M32)
1985年発売
■特徴 バンクが100個
1から79までがユーザープリセット、
80から99までがファクトリープリセット
出典:素晴らしきビンテージ機材の世界 三好敏彦 リットーミュージック
2022年のTHE ALFEEの夏のイベントでステージ袖にあった2台のTC2290を見たのですが、フロントパネルの赤い数字がはっきり確認できました。調べてみると、液晶ではなくLEDランプ仕様なんですね。LEDが長寿なことが立証されているようです。
コンサートのある日はリハーサルから終演まで電源を入れっぱなしで、ほぼ半日稼働している状態だと思います。何年もの間、こうした使い方ができるまさに耐久性の高いプロ用機材と言ってよいでしょう。
使い方
リットーミュージックの書籍「素晴らしきビンテージ機材の世界」でTC2290が取り上げれれています。ギターのエフェクターというよりはスタジオに設置してある機材としての位置づけです。
著者の三好敏彦さんによると、おススメの使い方は
モジュレーション系のエフェクトをうっすらかけつつ、滑らかで綺麗に広がるディレイを生かすとのこと。
とにかく、ディレイサウンドを美しく響かせるために他のエフェクトを軽くかけることがポイント。他のエフェクトはTC2290のためにあるのです!
後継機種にはND-1 NOVA DELAYやプラグインのTC2290-DTがあり、Youtubeなどでその音色や操作方法が多数紹介されています。しかし、TC2290はディレイ単体で使うのではなくほかの空間系エフェクトと組み合わせて使うのがプロフェッショナルの流儀なようですね。
THE ALFEEのTakamiyはEVENTIDEのH3000というハーモナイザー兼モジュレーション系を多数搭載したラック型マルチエフェクターとこのTC22902台を組み合わせてライブで使っています。
ギターの特徴を活かしつつ、レコーディングと同じようなテイストの音がステージで再現されているのはこうした機材のおかげです。
世界に目を向けると、ピンクフロイドのデビッドギルモア、U2のエッジらが使用していることが有名です。彼らの、どうやっても真似できない(個人的に)サウンドはこうした機材を研究し尽くして、自分のものにして生み出されたサウンドなのです。
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