THE ALFEE アルバム「GLINT BEAT」レビュー

THE ALFEE

ファン歴6年の40男が猛勉強の意味も込めてレビューします。

ユニバーサルのHPでは「グリントビート」とカタカナ表記です。

GLINT BEATのジャケット画像

アルバム「GLINT BEAT」のサウンド

あらゆるジャンルの音楽を柔軟に取り入れるTHE ALFEEの姿勢がよくわかるアルバムだと思います。
M1「 閃光」に限っては最後までエレキとオルガンが中心のパンクぽいサウンドですが、

例えば、M6「Boy」は、
イントロは80年代テクノぽいベース音から入って、歌中はパンク、間奏がガットギターでフラメンコ、3拍の変拍子で展開して、ヘビーなギターソロへと続きます。

文章だけ見ると無茶苦茶ですが、聞いてみると不自然な感じはありません。

M2 「運命の轍 宿命の扉」は、
落ちサビから突然オーケストラのようなストリングが登場し、ガレージサウンド的なギターと見事に共存します。

M5 「Beat Pop Generation」 は、
同じく落ちサビのバックがマーメイドが弾いてそうなハープだったりします。

SOUND PRODUCEはTOSHIHIKO TAKAMIZAWAとクレジットされています。前作同様、主にバッキングで使われるエレキギターの新しいサウンドを模索することでアルバムを構築した感じが濃厚です。

今作はシングルコイルのカッティングから重厚な歪みサウンドまでバリエーション豊かなギータサウンドが特徴だと思います。

各曲レビュー

M1 閃光

他ジャンルの要素は取り入れず終始パンクぽい感じで攻めるサウンドになっています。

バスドラとシンバルの4拍子からシングルコイルのカッティングに突入します。ガレージロックな感じですがディープパープルのようなハードロックで使われるようなオルガンの音が効いているのと、ドラムが機関銃のように炸裂しています。閃光というのはこのドラムのことを言っているかのようです。

ギターの音とフレーズが「今までと違う感じ」でアルバムがスタートします。
Aメロ2回目からは、右側チャンネルから別なクリーントーンが聞こえ、
サビのバッキング、1番と2番の間奏以降もエレキ2本です。ギターソロはバッキングよりも少し多めに歪ませた感じでアーミングありで登場するなど、ギターがにぎやかに鳴りっぱなしのアレンジです。

主なライブ映像


AUBE 2001 GLINT BEATLive at BUDOKAN Dec.24
TakamiyのギターはFENDER Telecaster 66年製のオリンピックホワイト
Legend of The Stadium V Gold Legend
TakamiyのギターはFENDER Telecaster 66年製のオリンピックホワイト
30th anniversary Count Down 2005 TIME AND TIDE
TakamiyのギターはPaul Reed Smith Single Cut 白黒豹柄 ドットインレイ

M2 運命の轍 宿命の扉

M1と同じような始まり方なのですが、展開が大きく異なります。

角がとれた若干マイルドな感じの歪みでスタート。高音側と低音側で2本のエレキが聞こえますが、Am、 F 、Gのコード進行で安心感のある響きです。歌中も2本のエレキが聞こえますが、左チャンネルでジャラーンとコードを奏でているほうはトレモロとかレスリースピーカーのエフェクトがかかっています。

8ビートのカッティングを織り交ぜたバッキングが淡々と続きますが、「♪抱きしめたいほど」の落ちサビで突如として綺麗なストリングスが低音側から湧き上がるように登場します。ALFEEのサウンドとストリングスの相性がいいことは分かっているのですが、この登場のしかたがカッコ良すぎて何度も聴きたくなります(2分56秒のあたりからです)。

曲が終わる頃にはシンプルなエレキ主体のロックからエレキ、アコギ、オーケストラ、3声コーラスの「ALFEE全部入り」のような壮大なサウンドに変貌を遂げています。

忘れてはいけないのは、アコギのコードストロークが全編にわたって入っていて、これがかなりいい味を出しています(MIX具合が絶妙)。

あと、英語表記を使わないで歌詞が書かれています。「♪何かが足りない 欠けた心情」の「心情」を「ハート」と読ませています。カタカナも「夢の破片ってヤツを」の1カ所だけです。

主なライブ映像

AUBE 2007 天河の舟 Live at BUDOKAN Dec.24
TakamiyのギターはPaul Reed Smith Single Cut Kimono Dragon
AUBE 2010 Neo Universe II Live at BUDOKAN Dec.24
TakamiyのギターはGIBSON 1959 Les Paul Standerd Reissue
半音下げのアレンジ
30th anniversary Count Down 2005 TIME AND TIDE
TakamiyのギターはPaul Reed Smith Single Cut
ピックガード付 グリーン ドットインレイ
YOKOHAMA SWINGING GENERATION GENERATION DYNAMITE DAY Aug.16
Takamiyのギターは ESP 妖姿端麗
AUBE 2001 GLINT BEAT Live at BUDOKAN Dec.24
TakamiyのギターはFENDER Telecaster 66年製のオリンピックホワイト
Legend of The Stadium V Gold Legend
TakamiyのギターはFENDER Telecaster 66年製のオリンピックホワイト

M3 Punks Life

パンクとサイケが融合したサウンドです。

サビは一転してパンクぽい元気な感じになりますが、音色のせいか、全体的にまったりとした印象です。

ドライブ感のない素朴な音色のエレキのストロークから始まります。その後はモジュレーション系のエフェクトが強く掛かったギターサウンドが飛び交い、アンダーグランドでサイケな雰囲気が満載です。

1番のバッキングはフェイザーのかかったようなサウンドで左右別々なギターが鳴っていて、2番Aメロからかなり強烈なディストーションサウンドの重低音ギターが登場します。その後はこれがバッキングの主役になるサウンド構成になっています。

ソルダーノのプリアンプを使ったような極限まで歪ませた音で、後にも先にもここまで歪ませた音はないような気がします。

全体を見渡すとかなりの数のギターが入っているようです。

主なライブ映像

『AUBE 2001 GLINT BEATLive at BUDOKAN Dec.24』
NAVIGATOR Punks Life
『AUBE 2002TRANSFORMATION Live at BUDOKAN Dec.24』
ESP Brian T #1

M4 Never Ending Dream

フェンダー系のアンプを使ったような、Takamiyにしては珍しいギターサウンドが満載です。
エレキのクリーントーンのアンサンブルは他にはあまりない気がします。

ストロークがストラトで、8分のカッティングがテレキャスターのように聞こえますがどうでしょう。
これらが左右から別々に鳴っているのに加えて、歌いだしから12弦アコギのアルペジオも入っていて
ギターだらけのアレンジになっています。ギターソロも12弦アコギとエレキの2部構成です。

素朴な優しいサウンドが続きますが、終盤はシンセのバッキングが登場してにぎやかな感じに変貌を遂げています。

私としては、Takamiyの多彩なギターサンドが一度に楽しめる貴重な曲です。

タイトルを直訳すると「終わらない夢」で、後に始まるラジオ番組のタイトルにもなっています。
ピンポイントでボーカルにモコモコしたエフェクトがかかっていて、過去の自分から今の「僕」に語りかけている感じを演出しているのでしょうか。

主なライブ映像

『Legend of The Stadium V Gold Legend』
ROY BUKANAN 深めのディレイ

M5 Beat Pop Generation

電子音的なビートサウンドに寄せた音作りが特徴ですが、曲のメロディーや構成はALFEEの王道を行っていると思います。

この曲も歪からクリーンまでいろいろなギターサウンドが入っています。ギターソロの歪み方が激しいのが分かりやすい特徴だと思います。

この猛烈なディストーションサウンドの直後に3連符のハープのアルペジオが涼やかに流れます

個人的にはファミコンのスーパーマリオで土管をくぐったら突然海になった時の感覚に似ています(昭和生まれです)

歌詞のメッセージやボーカルの感じなどはPOPなALFEEという感じです。ドラムとベースを打ち込みぽいビートポップにすることでうまく味付けされているんじゃないでしょうか。

主なライブ映像

『2000th LIVE CONCERT STARTING OVER』
GIBSON Flyng V
『AUBE 2005 STARTING OVER Live at BUDOKAN Dec.24』

『AUBE 2001 GLINT BEAT Live at BUDOKAN Dec.24』
FENDER Telecaster TLR-145RK (リッチー コッツェン)
『AUBE 2002TRANSFORMATION Live at BUDOKAN Dec.24』
TOM ANDERSON CLASSIC
■Best Hit Alfee 2017 夏フェスタ
STREAM GT 白

M6 Boy 

間奏がフラメンコです。1曲の中に様々なジャンルを取り込んでいるこのアルバムを代表する1曲です。
意外にもエレキギターの音色バリエーションは少ないです。

間奏はガットギターでフラメンコなのがすごいですが、直後はバリバリの変拍子になります。
フラメンコからのプログレというのはALFEE以外にないでしょう。

これにアーミングを駆使したギターソロが続きます

1番の歌い終わりの小節は、全楽器がすべて鳴りやみ、3拍目からエレキのリフが始まるのがカッコいいです。(CD TIME 1分33秒~)

主なライブ映像

『AUBE 2006 ONE Live at BUDOKAN Dec.24』
GIBSON 1959 Les Paul Standerd Reissue
『AUBE 2001 GLINT BEAT Live at BUDOKAN Dec.24』
FENDER Telecaster 66年
『AUBE 2002TRANSFORMATION Live at BUDOKAN Dec.24』
ESP Brian T #1
『Legend of The Stadium V Gold Legend』
FENDER Telecaster 66年

M7 Romeo 〜 Cosmic☆Picnic 

歌中のベースが動きまくりです。シタールとピアノの絡みで始まるのですが、決めのフレーズがなく、1回限りのメロディーが飛び交います。かなり実験的なサウンドの楽曲ではないでしょうか。

例えば
1番の歌いだし直前はストリングスとエレキのユニゾンで喜劇の一幕のようなメロディー、
2番の歌いだし直前は複数のシンセでゲーム音楽のようなピコピコ音になります。

ギターソロが面白く、左右で別なメロディーが鳴っています。レスポールぽい音です。

作詞に森 雪之丞が加わっています。

M8 Fairy Dance

ジャジャーンという感じのウォール・オブ・サウンドです。

歌中のエレキギターは終始クリーントーンで8分音符のパワーコードとアルペジオですが、
これはストラトのハーフトーンが使われていると思われます。
間奏のギターソロはガットギターとエレキの2部構成。アコギはこの後12弦も登場します。
全体を通して淡々と曲が進行する感じです。

M9 UNCROWNED KINGDOM

イントロと間奏はライブでやるよりレコーディングのほうが大変だったのではないでしょうか。
プログレ曲という印象が強いですが、最後はきれいなストリングスが入り、完全にクラシックです。

冒頭は、4拍と3拍の小節の組み合わせであることは分かるのですが、その後のベースから始まるフレーズはずっと8分音符で一定でありながら、どこで小節が割れるのかが分かりません。

イントロや間奏が複雑な一方、歌中のバッキングはシンプルで、意外と歌詞がよく耳に入ってきます。デビュー戦でKOされたボクサーを題材にしたシリアスな内容かと思いきや、「模写で稼ぐ画家」や「足首を捻挫したプリマドンナ」が出てきてとても滑稽な感じに聞こえるのが絶品です。
作詞は森 雪之丞がクレジットされています。

主なライブ映像

『2000th LIVE CONCERT STARTING OVER』
TakamiyのギターはESP Venus Angel
『AUBE 2005 STARTING OVER Live at BUDOKAN Dec.24』
TakamiyのギターはGIBSON Alvin Lee ES-335
『AUBE 2006 ONE Live at BUDOKAN Dec.24
ESP Prince Angel
■2018 夏ノ巻 Chateau of The Alfee
TakamiyのギターはFRX グラデーション
■Best Hit Alfee Final 2018 冬ノ巻
TakamiyのギターはESP Ultimate Arcangel


M10 NEVER FADE

他ジャンルの音楽を取り込んだようなパートはなく、これぞTHE ALFEEというサウンドです。
このアルバムにあっては逆に異色です。

バッキングのエレキギターの歪み方がラウドな感じで前作「Orb」の時と同じよに聞こえます。
加えて、ギターソロの直前が8分の6小節になるアレンジなどが「希望の鐘が鳴る朝に」とそっくりなので姉妹曲のようです。

別音源

ALBUM『THE ALFEE CLASSICS III THE ALFEE with Royal Phillharmonic Orchestra』

主なライブ映像

『COUNT DOWN 2001 HELLO GOOD-BYE』
ESP BLACK TⅡ
『Kingdom Chapter Ⅰ: Grateful Birth』
『AUBE 2000 Live at BUDOKAN Dec.24』
ESP Aube Angel
■THE ALFEE YOKOHAMA STAR-SHIP: Only One Night
ESP Heart Angel イントロで転倒
LOVE & PEACE A DAY OFPEACE Aug.15
ESP Flyng TV 30th Anniversary Metaric Blue
公式HPはNever Ending Dreamと誤記載
『30th anniversary 2004 Travelin’ band Live at BUDOKAN Dec.24』
Paul Reed Smith Single Cut 黒
■2018 夏ノ巻 Chateau of The Alfee
Flyng Angel Fantasia

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